古きよき日々を歩く――愛知県犬山市 博物館「明治村」
●100万uの敷地に歴史的建造物が集結


2003年の年の暮れを迎え、年末・年始の休みの一日を使って愛知県・犬山市にある博物館「明治村」を訪れた。明治村は、明治時代の建造物を移築・展示しているほか、園内に路面電車や蒸気機関車も走らせているという興味深いテーマパーク。以前から一度は行ってみたいと思っていた。
 上本町から近鉄特急で名古屋へ、名古屋から名鉄に乗り換えて犬山へ。犬山駅前から明治村行きのバスが出ている。大きな案内看板が設置されているので迷うことはない。
 明治村は入園料1600円。園内は100万uと広大。まずは正門から入って右手の聖ヨハネ教会堂を見学。建物内に入ると、荘厳な雰囲気。高い天井とステンドグラスが見事。自然の光の演出が計算されている。明治40年の築で、京都市河原町にあったものを移築した重要文化財。   

 

煉瓦づくりが印象的な聖ヨハネ教会(左・中) ステンドグラスが光を演出(右)

     
 
●きしめんと電気ブラン

 夏目漱石旧宅が再現され、「吾輩は猫である」の猫を模した置物が楽しい。視界に隣の入鹿池の広々とした展望が開けているので、実に開放感がある。昼食は、園内のお食事処で「きしめん」を食す。
 品川燈台と官舎を見学。私も子供の頃には、こうした石造の燈台の下で、イギリス式の石造家屋に暮らしていただけに郷愁がある。ただし、この燈台官舎の内部展示がトイレ博物館になっているのは気に入れない。
 汐留バーに入る。上質でレトロな雰囲気。生まれて初めて「電気ブラン」を飲む。書物でしか知らなかった代物だ。  
 呉服座という名の芝居小屋が再現されている。重要文化財。「呉服(くれは)」と読む。池田市からの移築という。知り合いの製麺業者さんの所在地が池田の呉服(くれは)町だったことを思い出し、急に親近感が湧いた。こうした芝居小屋が往時の民の娯楽の場となる異空間であったのだろうか。
 一番端の帝国ホテルに達したところで時間切れ。まだまだ見ていないものもある。よく集めたものだと感心するぐらい、スケールも大きく内容も凝りに凝っているところだった。

品川燈台遠景 品川燈台近景 呉服座 噴水(背景はSL駅)



●博物館 明治村案内図