2005年11月23日、三重県・御在所岳に日帰りした。往復は車、しかも山頂まではロープウェーを利用した。
往路は名神から八日市インターを経て御在所スカイラインに入る。この道は現在は一般道だが、かつては有料道路だったそうで、山越えの道ながら道路事情は良い。走っていて快適だったのでお勧めルートである。途中、峠の駐車スペースにびっしりと車が停められている。ここから山頂への登山道があり、山登りの人はここに車を置いて登るのが一般的だとわかる。
鈴鹿山脈を越え、三重県側に降りる。ここまでは順調だったが、紅葉時期の休日とあって湯の山温泉への道が大渋滞、結局温泉入口からロープウェー前駐車場まで1時間かかった。
湯の山温泉には近鉄電車の支線が来ているが、駅からロープウェーまでは結構な距離があり、そこそこ歩くことになる。車は他に駐車場の空きがないので乗り場前まで登って駐車する。
土産物屋さんで「伊勢うどん」を食べ、ロープウェーへ。下から見上げるとかなりの急角度の山肌が迫力ある。人は多かったが、こちらは次々と出るのでほとんど待つことなく10人乗りのゴンドラに乗り込む。往復2,100円也。
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湯の山温泉渋滞の車から御在所岳を見上げる |
ロープウェー上からの展望 |
尖塔のような岩と赤いロープウェー |
●スリリングな空中浮遊 |
御在所岳はやはりロープウェーがハイライトと言える。当初こそ温泉街の上の山稜に沿っているが、やがて絶壁によって落ち込んだ空間の上を浮上する。足がすくみ、手に汗をかく。山登りは好きな私でも、実は高所恐怖症で空中は苦手。寒風を受けて微妙に揺れるのが心もとない。
途中、日本一の高さといわれる50Mの白い鉄塔が立っている。この鉄塔の手前でゴンドラから地面までの高さ最大の150Mになる。
山上駅の手前は、奇岩怪石のオブジェに取り囲まれる。まるで坊主頭の修行僧のような石の塔が稜線を飾っている。
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巨岩の上に造られた展望台 |
眼下に湯の山温泉が見える |
急峻な岩の上からロープウェーを見る |
●伊勢湾を見通す眺望の良さは近畿随一 |
山上駅に降りると、人の流れは二手に分かれる。隣接するリフトに乗り継いで最高地点(山頂1212M)に向かう人と、展望台をめぐる人の二つ。最高所は奥まった位置にあり、展望という点では劣る。
私は、展望台への遊歩道を歩いた。木々は葉を落としているせいか、明るい道になっていて快適だ。
眼の前に青く大きな空間が開ける。展望台は巨岩の上に造られており、足元は絶壁に近い急斜面、湯の山温泉や菰野の街が直下に小さく見える。その先は平野が続き四日市の町がかすみ、遠く伊勢湾の海が光る。
眺望の良さという点では、ここは近畿地方では随一ではないだろうか。1180メートルの高さを実感できるポイントである。
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手前は垂直に近い断崖:向こうには樹木のように見える岩が林立する
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紅葉の温泉街にゴンドラが浮かぶ
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ロープウェー乗り場から見たところ
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山上にあるかもしか牧場 |
御在所岳山頂(最高点)へはリフトを乗り継ぐ:冬季はスキー場に |
山上の遊歩道:樹木の葉が落ち明るい道になっている |
●静寂につつまれた蒼滝 |
ロープウェーで降りて後、蒼滝を回った。遊歩道を歩いて約20分。尾根を越える登りと下りの道で結構きつい。峠にある蒼滝不動で鮮やかな紅葉に出会った。
ゴンドラで地元の人の会話でも聞いたが、年々御在所岳の紅葉は鮮やかではなくなっているらしい。今日も、紅葉時期ではあるが全山が赤や黄色に彩られるというよりは茶色っぽい枯れた色にくすんでいる印象がある。温暖化の気象の影響か、もしくは樹木の種類のせいか。ただ、この峠の不動の祠脇の樹が鮮やかな赤だった。
蒼滝は落差50メートル。御在所岳山頂の奇岩と同質の花崗岩の壁を落ちる。滝つぼの水やそこからの渓流は限りなく透明に近い青だった。付近に民家もなく、小さな土産物屋と数人の観光客。聞こえるのは滝の音だけという静寂の中だった。
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蒼滝不動の紅葉 |
この透明感!蒼滝の滝つぼ
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岩の質感と水の対比:下から見た蒼滝 |
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