今回の宮崎行きは、一泊二日の会議出席のため。伊丹から飛行機で宮崎空港へ着く。海岸にある空港なので、まるで青い海に吸い込まれていくような感覚で着陸する。空港は宮崎市と隣接、鉄道線も繋がり空港駅がある。会議は宮崎市内で昼からだったので、午前中の時間を利用して、4名一行は青島に立寄った。
私が青島に来るのはこれで3度目になる。最初は高校の修学旅行、2度目は新婚旅行。かつては、日本有数の観光名所であり、大変にぎわっていた。しかし、今日は平日ということもあって閑散。土産物屋などが立ち並ぶメインストリートもシャッター通りの商店街のように店を閉めているところが多い。
鬼の洗濯岩は、何度見ても自然の造型として感嘆する。今回改めて気がついたことがあった。青島の周囲に砂浜を形成しているのは、よく見ると砂というより貝殻のかけらがびっしりと集まったものであること。島の中心に青島神社があり、鎮守の森にあたるのはビロウなどの亜熱帯植物の自生。天然の大温室のような景観だ。
島にいる間は比較的明るさを保った曇天だったが、商店街に戻る頃には雨が降り始める。雨宿りに入った土産物屋で、地元のヒット商品の夏みかんジュース「日向夏(ひゅうがなつ)」を買って飲む。
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天然記念物・鬼の洗濯岩 |
砂のように見えるのは貝殻の砕けたもの |
青島に自生する亜熱帯植物 |
●念願の「冷や汁」、郷土料理を食べ過ぎる |
会合の会場と宿泊は宮崎観光ホテル。部屋の窓は大淀川に面し、堤防にそって椰子科の植物の並木があり、南国気分。ただし天候は小雨まじり。
ホテルで夕食後、地元宮崎の人に「郷土料理の店」を聞いて教えてもらい、大阪・愛知・滋賀・京都からの参加者らと連れ立って橘通りへ歩く。繁華街の風景はいずこも似たりよったりでありながら、メインストリートの街路樹がワシントニアパームであることが特徴的。この地は台風直撃が多いところで、並の街路樹が折れるか倒されるかという台風でも、こうした椰子科の植物は暴風が吹きつけても“しなる”だけで折れることがないという。逆に建築資材としては「締まり」がなくて使い物にならないらしい。人間社会と一緒で、長所もあれば短所もある、すべては活かし方次第か。
郷土料理店では念願の「冷や汁」を最初に頼んだが、失敗だった。これは要するに、焼き魚のすり身を合わせた冷たい味噌汁のようなものをご飯に注ぎ込んで食べるもので、分類すれば「ご飯物」。ホテルの夕食は終えているのにさらにこの重たいものを食べ、後から出てくるチキン南蛮(これも宮崎発祥)、地鶏の炭焼きと、次々と満腹の上に無理やり詰め込んで完全な食べ過ぎ状態に陥った。
加えて、翌朝のホテル朝食も和洋バイキング。もう一度冷や汁を食べた。この時点で我が体重は一段と増加し、ついに生涯最高値を記録した。
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青島の土産物屋で売られていた魚型のおもしろメール |
ホテルの窓から大淀川を見る |
綾町「酒泉の社」 |
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●綾町・酒泉の社で利き酒に溺れる |
二日目の議事は正午に終了。後、任意の参加者を募ってタクシーに乗り合わせ、綾町・酒泉の社へ繰り出した。目指すは、綾町の町おこしの目玉「酒泉の社」。雲海酒造の工場誘致を中心に、ワイナリー、地ビール館、酒蔵など酒に関する展示と体験、飲食と買物が楽しめるテーマパーク的施設。
昼食はバーベキュー館で地ビールを飲みながら宮崎の牛と地元の新鮮野菜を食い尽くす勢いで食べまくった。食後は試飲コーナーでワインや焼酎を飲む。種類が多く、焼酎はロックなので、試飲とはいいながら結構利いてきた。土産で買ったのはタクシーの運転手さんお勧めの南瓜の漬物と冷汁パック。南瓜は結構塩辛く、家で食べる時には持て余し気味になった。冷や汁は溶かして使う味噌状のものと液体に近いパックと両方買ったが、液状の方が美味しかった。
適度なストレスと緊張感が安堵に変わる瞬間、時に人間が壊れていくことがある。この時の私はそれだった。食べ過ぎ、飲み過ぎの連続の中へ崩れ込んでいった。綾町から宮崎空港に向かう白昼のバスの中で酔っ払いになったいた私がさぞ周囲から白い眼で見られていたであろうことは、その時の自分には知る由もなかった。
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地ビールで地元食材をバーベキュー |
綾ワイナリー(外観) |
綾ワイナリーの内部 |
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