2005年春、大阪から日帰りで鳥取砂丘を訪れた。車で中国道を走り、佐用インターで降り智頭街道へ。道路は渋滞もなく、空は快晴。昼には鳥取市内に到着した。
鳥取市内は穏やかな雰囲気の街だった。鳥取砂丘への曲がり道を間違えて、市内を錯綜してしまったが、それもまた楽しみの一つ。
砂丘に着くと、駐車場がいろいろ。砂丘入り口の公営有料駐車場に停めたが、土産物屋やレストランの駐車場なら無料となる。どうせ食事をしたり土産を買うのであればそのほうがトクだった。
小さな階段を登ると、海と砂丘の展望が開ける。砂丘に足を踏み入れると、想像とは違う感触があった。私は少年期を海辺で育ち、砂浜が自分の庭のようなものだった。砂浜の砂は、岩が変化した小さな石の集まりが波によって寄せられたもの。よく見ると粒は大小さまざまで、質も花崗岩質のものと堆積岩質のもの、そして貝殻も混じっている。しかし、鳥取砂丘の砂は、もっとキメが細かく均質だ。砂しかない。
これは、砂丘は海岸から少し陸地側にできていることからして、海岸の砂が風で運ばれ吹きだまったことに由来する。風で飛ぶ重さ、風で落下する位置が均質なものが集まって砂丘をつくっている。したがってふるいにかけたように揃っている。自然の純化作用が絶え間なく続いているのだ。
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砂丘の向こうが海岸線 |
見た目より急勾配の砂丘を登る |
砂丘の交通機関は馬車と駱駝 |
●砂の丘というより砂の壁 |
砂丘入口から緩やかな下り傾斜があり、そこから砂丘が急傾斜で存在している。砂丘の向こうが海岸線だ。砂丘への登りは見た目以上の急傾斜になる。当然、足元は不安定な砂で登りにくいこことこの上ない。何人かは素足になっていたが、前日の通り不純物のない砂地なのでそのほうが気持ち良いだろうと思った。親切なことに駐車場には足洗い場が設置されていた。
砂丘頂上からの展望は素晴らしい。青い海を背景にパラグライダーに興じる人たちの姿も絵になる。それにしても、この砂は圧倒的な質量だ。早朝に来ると風紋が見られるらしい。四季の砂丘をとらえた写真が展示されていた。
帰路は湯村温泉・和田山を経由して戻る。土産は名産のラッキョウ甘酢漬け。関西から手軽に日帰りで行ける観光地であることがわかった。
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海岸線をバックにパラグライダー |
傾斜と砂地がパラグライダーに最適 |
砂の質量に圧倒される |
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