山梨県は意外に関西からは行きにくい県の一つ。かつて学生時代に東京からの帰郷時に、暇にまかせて中央線経由にし、甲府の町に降り立った記憶がある。
今回は、2007年の5月5日、連休に東北方面に車で旅した帰りを利用し、富士山麓を訪れた。山梨入りは長野方面から。八ヶ岳PAから南アルプスの山稜と八ヶ岳の頂が望める。天候は良かったが、空気はかすんでいた。
甲府南ICより出て精進ブルーラインに合流して走る。しだいに市街地から山林にさしかかり、トンネルと登り坂が続く。オウム騒動で有名になった上九一色村に入り、登りが一段落すると樹林の中に観光施設があらわれてくる。
最初に現れた湖が精進湖。 展望が開け、印象が明るい。五月晴れの陽光に湖面が輝いている。周囲5キロと富士五湖で最小。小さいがゆえに樹海の果ての富士の峰が絵になる。
|
|
|
八ヶ岳を望む |
PAより見る南アルプス |
南アルプスの遠景 |
|
|
|
精進湖より富士を見る |
本栖湖より富士を見る |
松と湖水と富士の峰 |
●朝霧の牛 富士の草を食む――富士の裾野は聖俗の落差 |
精進湖から2キロばかり離れて本栖湖がある。水深138メートルで、富士五湖中最深。湖を巡って一周する道路があり、ボートを浮かべる」人、湖岸道路を走る人など、思い思いに新緑の中で楽しんでいる。
定番のカメラアングル地点があり、松と湖と富士山がコンパクトに収まる。銭湯の壁に描かれている構図で、日本人の美意識に刷り込まれている。定番ではあるが、美しいものは美しい。
本栖湖から朝霧高原に向かうと、牧牛が富士を背にして草を食んでいた。富士山麓は演習場があり軍事訓練の場でもあるが、日本文化の象徴である富士山には似合わない。
霊峰の力にあやかってか、宗教施設も多い。神聖で純粋な山頂の姿から、さまざまな世俗の思惑に利用されている裾野まで、その標高差もまた日本一であろうか。
|
|
|
まるで銭湯の壁絵 |
朝霧高原から見た富士 |
見飽きることのない存在感 |
|
|